がんナビからの情報です。(2014.11.26)

がんナビからの情報です。(2014.11.26)

再発膠芽腫にベバシズマブもfotemustineも有効である可能性、VAREG試験の最終結果【SNO2014】

横山勇生

 再発膠芽腫に対し、ベバシズマブもニトロソウレアの一種fotemustine (FTM)も有効である可能性が明らかとなった。多施設オープンラベルフェーズ2試験VAREG(ML25739)の最終結果で、両製剤は毒性プロファイルは異なるが、どちらも有効性が示された。11月13日から16日まで米国マイアミで開催されている19th Annual Scientific Meeting and Education Day of the Society for Neuro-Oncology(SNO2014)で、イタリアBellaria – Maggiore HospitalのAlba A. Brandes氏によって報告された。

 VAREG試験は、2週間おきにベバシズマブ10mg/m2を投与する群(ベバシズマブ群)と、1日目、8日目、15日目にFTM75mg/m2を投与し、35日間おいたあと、3週間おきにFTMを100mg/m2投与する群(FTM群)に分けて行われた。主要評価項目は6カ月時点での全生存(OS)率だった。副次評価項目は9カ月時点のOS率、12カ月時点のOS率、OS中央値、6カ月時点の無増悪生存率、毒性プロファイルなどだった。55歳以下と55歳超、再発に対する手術の有無で層別化されていた。

 2011年11月から2012年9月までにイタリアの10施設で91人の再発膠芽腫患者が登録された。年齢中央値は57歳(28-78)。PS 0が42人、PS 1が35人、PS 2が14人だった。全ての患者が放射線/テモゾロミド治療を受けていた。診断から最初の再発までの時間はベバシズマブ群が331日、FTM群が460日だった。再発時に21人(23.1%)が試験に参加する前に再切除を受けていた(ベバシズマブ群13人、FTM群8人)。59人がベバシズマブ群に、32人がFTM群に割り付けられた。両群の患者背景にはPS 2の患者比率、最初の手術から無作為化までの日数の中央値、ベースライン時のコルチコステロイド使用率などに差があった。

 6カ月時点のOS率は、ベバシズマブ群が62.1%(95%信頼区間:48.4-74.5)、FTM群が73.3%(同:54.1-87.7)、9カ月時点のOS率は、ベバシズマブ群が37.9%(95%信頼区間:25.5-51.6)、FTM群が46.7%(同:28.3-65.7)だった。OS中央値はベバシズマブ群が7.3カ月(95%信頼区間:5.8-9.2)、FTM群が8.7カ月(同:6.3-15.3)だった。6カ月時点の無増悪生存率はベバシズマブ群が26.3%(95%信頼区間:15.5-39.6)、FTM群が10.7%(同:2.2-28.2)だった。無増悪生存期間中央値はベバシズマブ群が3.38カ月(95%信頼区間:3.1-4.3)、FTM群が3.45カ月(同:1.8-3.8)だった。

 ベバシズマブ群において55歳以下の患者の6カ月OS率は77.8%(95%信頼区間:57.7-91.4)、9カ月OS率は59.3%(同:38.8-77.6)で、55歳超の患者では6カ月OS率は48.4%(同:30.1-66.9)、9カ月OS率は19.3%(同:7.4-37.5)だった。ベバシズマブ群の55歳超患者を55歳以下患者と比較したOSのハザード比は2.0(95%信頼区間:1.0-4.1)、p=0.05で有意な差があったが、FTM群は年齢による差はなかった。

 グレード3/4の副作用は血小板減少症がベバシズマブ群0%、FTM群9.3%、好中球減少症がベバシズマブ群が1.7%、FTM群が12.5%、消化管穿孔がベバシズマブ群3.4%、FTM群0%、肺血栓塞栓症がベバシズマブ群1.7%、FTM群0%、急性心筋梗塞がベバシズマブ群1.7%、FTM群0%などだった。

再発膠芽細胞腫にベバシズマブとlomustineの併用が有効である可能性、BELOB試験の最終結果発表【SNO2014】

横山勇生

 再発膠芽細胞腫に対して、ベバシズマブとニトロソウレア系抗癌剤lomustineの併用が有効である可能性が明らかとなった。オランダで実施された無作為化フェーズ2試験BELOBの最終解析の結果、9カ月時点の全生存(OS)率が併用群でフェーズ3実施の基準内に入ったもの。lomustine単剤とベバシズマブとlomustine併用とを比較するフェーズ3試験が、フェーズ2試験EORTC26101を2群に変更して行われている。

 11月13日から16日まで米国マイアミで開催されているAnnual Meeting of the Society for Neuro-Oncology(SNO2014)で、オランダErasmusMC Cancer InstituteのW.Taal氏によって発表された。

 BELOB試験は、ベバシズマブを2週おきに投与する群(ベバシズマブ群)、lomustineを6週おきに投与する群(lomustine群)、ベバシズマブを2週おきとlomustineを6週おきに投与する群(併用群)に分けて実施された。対象は組織学的に確認された膠芽細胞腫で、テモゾロミドを用いた化学放射線療法後1回目の再発患者で、18歳以上の比較的全身状態が良く(PS 0-2)増悪と診断される前3カ月以内に放射線療法を受けていない患者とした。主要評価項目は9カ月時点のOS率、副次評価項目がOS中央値、無増悪生存期間(PFS)中央値、6カ月時点のPFS率、効果などだった。

 当初、lomustine群はlomustine 110mg/m2を6週おきに6サイクル、ベバシズマブ群はベバシズマブ10mg/kgを2週おきに増悪まで、併用群はベバシズマブ10mg/kgを2週おきに増悪までとlomustine 110mg/m2を6週おきに6サイクルとして始まった。しかし併用群で最初の8人のうち3人で用量制限毒性が見られたことから、併用群のlomustineの用量が90mg/m2に変更された。

 lomustine群46人、ベバシズマブ群50人、併用群(lomustine 90mg群)44人の適格患者が割り付けられた。3群の患者背景には差がなかった。併用群(lomustine 110mg)は8人が投与を受けた。

 試験の結果、9カ月時点のOS率はlomustine群が43%(95%信頼区間:29-57)、ベバシズマブ群が38%(同:25-51)、併用群(lomustine 90mg)が59%(同:43-72)、併用群(lomustine全体)は63%(同:49-75)だった。OS中央値はlomustine群とベバシズマブ群がそれぞれ8カ月で、併用群(lomustine 90mg)が11カ月、併用群(lomustine全体)は12カ月だった。6カ月時点のPFS率はlomustine群が13%(95%信頼区間:5-24)、ベバシズマブ群が16%(同:7-27)、併用群(lomustine 90mg)が41%(同:26-55)、併用群(lomustine全体)が42%(同:29-55)だった。奏効率はlomustine群が5%、ベバシズマブ群が38%、併用群(lomustine 90mg)が34%、併用群(lomustine全体)が39%だった。

 サルベージ療法で差が見られたこととして、ベバシズマブ群では40%が化学療法を受け、38%がlomustineの投与を受けていたのに対し、lomustine群ではベバシズマブの投与を受けたのは2%のみだった。

 IDH1、2遺伝子の解析が127人で行われ、IDH野生型患者119人のOS中央値は9カ月、変異型患者8人のOS中央値は20カ月(p=0.021)だった。併用群全体で42人の野生型患者の9カ月OS率は60%(95%信頼区間:43-73)だった。
日本ではlomustineの代わりにニムスチンが用いられている。

成人再発上衣腫に対してラパチニブとドーズデンス型のテモゾロミド投与が有効な可能性【SNO2014】

横山勇生

 様々な部位、種類(グレード)の成人再発上衣腫に対して、ラパチニブとドーズデンス型のテモゾロミド投与は忍容性があり、抗腫瘍効果がある可能性が明らかとなった。両剤を併用投与したフェーズ2試験CERNで、抗腫瘍効果と忍容性を示す結果が得られたもの。11月13日から16日まで米国マイアミで開催されている米国脳腫瘍学会(SNO2014)で、米M. D. Anderson Cancer CenterのMark Gilbert氏によって発表された。

 上衣腫は稀な成人の中枢系腫瘍で、分子生物学的な研究から多くの腫瘍でErbB2が過剰発現し、MGMT遺伝子プロモーターがメチル化されていないことが分かっている。

 CERN試験は18歳以上でKPSが70以上、中央検査で上衣腫(グレードI、II、III)と確認された再発患者を対象に行われた。

 患者には4週間を1サイクルとして、1日あたりテモゾロミド125mgから150mg/m2(1サイクル目と2サイクル目に125mg、骨髄毒性が出た場合は2サイクルから12サイクルまで125mg、出なかった場合は3サイクルから12サイクルまで150mg)を7日投与7日休薬で投与し、ラパチニブは毎日経口で1250mgを投与した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)中央値で、副次評価項目は奏効率、副作用プロファイルと忍容性、ErbB2発現または他の分子プロファイルと効果の一致などだった。

 試験には50人が登録され、全員評価可能だった。年齢中央値は47歳(20-81)、女性は28人(56%)、KPS中央値は90だった。腫瘍グレードは退形成性上衣腫が18人、上衣腫が24人、液乳頭状上衣腫が8人だった。腫瘍の部位は大脳が14人、後頭蓋窩が5人、脊髄が25人、多発性が6人だった。全員が手術の経験があり、放射線治療の経験があったのは94%、全身療法の経験があったのは28%で、前レジメン数1が5人、2が5人、3が3人、4が1人だった。

 全体のPFS中央値は36.0週(95%信頼区間:24.4-96.0)だった。腫瘍の種類別では液乳頭状上衣腫が74.7週(95%信頼区間:15.7-NA)、上衣腫が60.9週(同:23.7-NA)、退形成性上衣腫が20.6週(同:8-31.9)だった。部位別では大脳が24.9週(95%信頼区間:7.9-110.6)、後頭蓋窩が21.3週(同:16.0-60.9)、脊髄が96.0週(同:31.9-114.4)、多発性が24.0週(同:4.1-NA)だった。

 全体の全生存期間中央値は117.1週(95%信頼区間:96-NA)だった。腫瘍の種類別では液乳頭状上衣腫が未到達(95%信頼区間:96-NA)、上衣腫が未到達(同:18.3-72.4)、退形成性上衣腫が63.6週(同:38.6-114)だった。部位別では大脳が114週(95%信頼区間:38.6-NA)、後頭蓋窩が未到達(同:31.1-NA)、脊髄が未到達(同:91.7-NA)、多発性が65.6週(同:20.7-NA)だった。

 最良効果はCRが1人(グレードIII)、PRが4人(グレードIIが3人、グレードIIIが1人)、SDが33人、PDが12人だった。

 全体のPFS率は6カ月が62%、12カ月が44%で、腫瘍の種類別では液乳頭状上衣腫のPFS率は6カ月が88%、12カ月が75%、上衣腫のPFS率は6カ月が63%、12カ月が46%、退形成性上衣腫のPFS率は6カ月が50%、12カ月が28%だった。部位別では大脳のPFS率は6カ月が43%、12カ月が29%、後頭蓋窩のPFS率は6カ月が40%、12カ月が20%、脊髄のPFS率は6カ月が80%、12カ月が64%、多発性のPFS率は6カ月が50%、12カ月が17%だった。

 投薬には忍容性が認められたが、骨髄毒性と皮疹などが重篤な副作用としてあった。予備的な遺伝子発現解析の結果では、ErbB2mRNAがより高い患者でPFS中央値の効果があった(p=0.03)。

初発膠芽腫にテモゾロミド、放射線療法へのベバシズマブ追加は、増悪後に後治療無しの場合は追加群で有意に全生存期間が長い【SNO2014】

横山勇生

 初発の膠芽腫患者を対象に、術後または生検後、テモゾロミドと放射線療法の併用に加えベバシズマブを投与する場合、増悪(PD)後に後治療を受けなかった患者では、ベバシズマブ追加で有意に全生存(OS)期間が長いことが明らかとなった。

 初発の膠芽腫患者を対象に、術後または生検後、テモゾロミドと放射線療法の併用に加え、ベバシズマブを投与した群(以下、ベバシズマブ群)とプラセボを投与した群(以下、プラセボ群)を比較した無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験、AVAglioの事後解析の結果示されたもの。11月13日から16日まで米国マイアミで開催された米国脳腫瘍学会(SNO2014)で、米University of CaliforniaのTimothy Cloughesy氏によって発表された。

 AVAglio試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照比較試験で、初発膠芽腫患者を対象として、術後または生検後、放射線療法とテモゾロミドにベバシズマブを併用した場合の有効性と安全性を評価した国際共同試験(日本も含む)。

 患者は、1週間のうち5日間(1日あたり2Gy)照射を6週間行う放射線療法、テモゾロミド(1日あたり75mg/m2)連日投与、ベバシズマブを2週間間隔で10 mg/kg投与する群(ベバシズマブ群)と、ベバシズマブの代わりにプラセボを投与する群(プラセボ群)に割り付けられた。

 放射線療法終了後は、28日間休薬し、4週間おきに5日間、1日当たり150mg/m2(可能であれば200mgまで増量した)のテモゾロミド投与、2週間間隔でベバシズマブ10mg/kgまたはプラセボ投与を6サイクル行った。その後は病状が進行するまで、3週間隔でベバシズマブ15mg/kgまたはプラセボを投与し続けた。

 試験には2009年から2011年までに921人の患者が登録された。プラセボ群に463人、ベバシズマブ群に458人が割り付けられた。年齢中央値はプラセボ群56.0歳、ベバシズマブ群57.0歳、男性はプラセボ群が64%、ベバシズマブ群が62%など、両群間に差はなかった。

 試験の結果、主要評価項目の1つである試験担当医師によるPFS中央値は、全体ではプラセボ群が6.2カ月、ベバシズマブ群が10.6カ月、層別化ハザード比は0.64(95%信頼区間:0.55-0.74)、p<0.0001(log-rank test)で、ベバシズマブ群に有意な延長が確認された。サブグループ解析は、どの患者でもベバシズマブ群が優位だった。

 もう1つの主要評価項目であるOS中央値は、全体ではプラセボ群が16.7カ月、ベバシズマブ群が16.8カ月、層別化ハザード比は0.88(95%信頼区間:0.76-1.02)、p=0.0987(log-rank test)で、有意な差はなかった。

 2013年2月28日のデータカットオフで、PFSイベントが発生した患者のうち、増悪後の治療を受けていないプラセボ群患者105人、ベバシズマブ群患者120人について事後解析が行われた。両群間で患者背景に大きな差はなかった。解析の結果、PFS中央値はプラセボ群が4.8カ月、ベバシズマブ群が8.4カ月で、層別化ハザード比0.62(95%信頼区間:0.46-0.84)で、有意にベバシズマブ群で延長していた。さらにOS中央値もプラセボ群8.0カ月、ベバシズマブ群11.6カ月で、層別化ハザード比0.67(95%信頼区間:0.49-0.91)で有意にベバシズマブ群で延長していた。多変量解析でも増悪後の治療を受けていない患者ではベバシズマブ群の方がOSが有意に良かった。

 一方、増悪後の治療を受けた患者のOS中央値はプラセボ群19.3カ月、ベバシズマブ群20.5カ月で、層別化ハザード比0.88(95%信頼区間:0.73-1.05)で有意差はなかった。

 研究グループは「実臨床では上限50%の患者が増悪後の治療を受けておらず、事後解析ではあるが今回の結果が確認されれば、重要な示唆になる」としている。

2014/11/17

新規診断膠芽腫に非侵襲的デバイスNovoTTFと術後補助テモゾロミドの併用で有意にPFS、OSが延長【SNO2014】

横山勇生

 新規診断膠芽腫に対して、装用型の非侵襲的なデバイスであるNovoTTF-100Aと術後補助療法としてのテモゾロミドを併用すると、テモゾロミドのみの場合と比べて、有意に無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を延長できることが明らかとなった。前向き国際多施設臨床試験EF-14の中間解析の結果、示されたもの。11月13日から16日まで米国マイアミで開催された19th Annual Scientific Meeting and Education Day of the Society for Neuro-Oncology(SNO2014)で、スイスZurich University HospitalのRoger Stupp氏によって発表された。

 NovoTTF-100Aは、頭に装着し頭皮の上から腫瘍に向けて非常に弱い中間周波の交流電場である腫瘍治療電場(Tumore Treating Fields;TTF)を持続的に発生させる。分裂中の細胞に連続的にTTFを作用させると、細胞が二分される前の段階で染色体や分離装置の正常な分離が阻害され、分裂はストップする。電場の影響は分裂が早い細胞に顕著に表れ、ゆっくりと分裂する正常細胞にはほとんど認められない。

 NovoTTFは全重量が約3kgで、斜めがけショルダーバッグの中にバッテリーなどの主な装置が入っており、そこから、頭髪をそり落とした頭に貼り付けた電極パッドに向けてケーブルがのびている。患者は、ショルダーバッグを持ち歩く、または自分の脇に置いておくだけで、通常通りの生活を送りながら連続的に治療を受けることができる。

 EF-14試験は米国、カナダ、韓国、欧州、イスラエルの12カ国83施設で実施された。テモゾロミドと放射線療法を受けた新規診断膠芽腫患者を、最大7週間の間にTTF(1日18時間超)と術後補助テモゾロミドを投与する群(TTF併用群)と術後補助テモゾロミドのみを投与する群(テモゾロミド群)に2対1の割合で割り付けた。TTFの照射は2度目の増悪が起きるまで行われた。

 1次評価項目はITTを対象にしたPFS、2次評価項目は治療を受けた患者を対象にしたOSなどだった。試験の対象患者は18歳以上で組織学的に膠芽腫と証明され、標準的なテモゾロミド/放射線療法が完了し、その後腫瘍増悪がない患者などとした。

 2014年11月11日までに692人が無作為化され、18カ月超の観察期間があった315人を対象に中間解析が行われた。TTF群には210人が割り付けられ、治療を開始されたのは203人、2サイクル目の治療が開始されたのは196人(97%)、既定の治療を受けたのが196人だった。テモゾロミド群には105人が割り付けられ、治療を開始されたのは101人、2サイクル目の治療が開始されたのが95人(94%)、クロスオーバーされなかったのは84人だった。両群の患者背景に大きな差はなかった。

 TTF群の術後テモゾロミドを受けたサイクル数中央値は6(1-25)で、TTFのサイクル数は1サイクルを1カ月として8.0サイクルだった。テモゾロミド群の術後テモゾロミドを受けたサイクル数中央値は4(1-24)だった。

 試験の結果、ITTを対象にしたPFS中央値はTTF群が7.1カ月(95%信頼区間:5.9-8.2)、テモゾロミド群が4.0カ月(同:3.0-4.3)で、ハザード比0.53、p=0.0014で有意にTTF群で延長していた。ITTを対象にしたOS中央値はTTF群が19.6カ月(95%信頼区間:16.5-24.1)、テモゾロミド群が16.6カ月(同:13.5-19.1)で、ハザード比0.75、p=0.034で有意にTTF群で延長していた。2年生存率はTTF群が43%(95%信頼区間:36-50)、テモゾロミド群が29%(同:21-39)だった。

 さらにクロスオーバーした患者を除いて解析するとOS中央値はTTF群が20.5カ月(95%信頼区間:16.5-24.1)、テモゾロミド群が15.5カ月(同:13.5-19.1)で、ハザード比0.67、p=0.0072でより有意にTTF群で延長していた。2年生存率もTTF群が45%、テモゾロミド群が28%だった。

 副作用は両群で大きな差があるものは少なかったが、TTF群では装置装着部位反応が認められた。

 中間解析の結果、データモニタリング委員会は早期の成功中止を推奨した。研究グループは「膠芽腫に対する新しい標準治療が確立された」とした。

 NovoTTFは、日本では2013年8月に開催された「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」で議論され、現在承認申請準備中となっている。

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